パースートオブラブ 愛に焦がれて

1920年代のイギリス、オックスフォードシャー州。年頃を迎えたリンダ･ラドレットといとこのファニー･ローガンは、閉鎖的な田舎暮らしから脱出し、本当の人生が始まるのを待ち焦がれていた。厳しい父親の監視下で育ったリンダは冒険を夢見ているが、「逃走馬 (ボルター)」というあだ名をつけられた恋多き母親に捨てられ、おばに育てられたファニーは安定した生活を望んでいる。リンダはパーティーで隣人のマーリン卿が連れてきたトニーにひと目で魅了され、ファニーの心配をよそに恋にのめり込んでいく。ファニーはリンダがトニーに夢中になり自分から離れていくのを感じ、複雑な思いに駆られる。

リンダの結婚後、ファニーは彼女と疎遠になっていた。そんな中、ファニーは学者のアルフレッドと結婚。同じタイミングで子供を授かった2人は再び親しく交流するようになる。リンダは娘のモイラを出産するが全く愛情を示さず、マーリン卿の誘いで社交界に入り浸るようになる。久しぶりにモイラに会いに行ったリンダは、食事会に来ていた共産主義者の青年クリスチャンと出会う。彼に強く惹かれたリンダは自らも活動を始め、クリスチャンと駆け落ちすることに。家事や育児に精いっぱいのファニーはそんなリンダに腹を立てつつも、生き生きと輝く姿をうらやましく感じていた。

リンダがプレイボーイで知られるフランスの公爵、ファブリースの愛人としてパリで優雅に暮らし始めたことを知ったファニーは気が気ではない。いよいよ戦争が始まりロンドンに戻ることになったリンダだが、ファブリースが迎えに来るのを待ち、アルコンリーへ避難することを拒む。またリンダは医師から命取りになると止められていたにもかかわらず、2人目の子供を妊娠していた。ファニーはリンダの身勝手な行動に激怒し、1人でアルコンリーに戻る。そんな中、空襲に遭ったリンダはようやくアルコンリーへと避難し、出産までの日々をファニーや家族たちと過ごすことになる。